NVMe 対応 SSD「WD_BLACK」で最強のゲーミング PC を作る! 後編
快適なゲーム環境を追及するときの壁「俺だけロードなげぇ問題」。 数多くのゲーマー達を泣かせてきたこの問題を NVMe の SSD で解決!
ゲームによっては、自分だけスタートダッシュに出遅れてしまうなんてことも……! ロード時間が長いためゲーム開始と同時にゲームに参加できないまま拠点へ戻るカウントダウンが表示されるという惨事も起きています。
どうにかロード時間を短縮する方法はないのでしょうか。
前回の振り返り
前回は、SSDを増設し、「Acronis True Image WD Edition」を使ってクローンを作り、SSDの引っ越しまで完了させました。ただ、Windowsの起動だけではイマイチ変化が実感できない……。そこで今回は、ベンチマークやPCゲームで検証してみようと思います!
まずは、WDのSSD用ソフトウェア「Western Digital SSDダッシュボード」をチェックしてみます。公式ページ(https://support.wdc.com/downloads.aspx?p=279&lang=jp)から「Western Digital SSDダッシュボード」をダウンロードします。
「Western Digital SSDダッシュボード」では、容量や温度の管理から、ゲームモードのON/OFF、リアルタイムのパフォーマンスチャートまでモニタリングできるんです。さらに、型番などの細かい情報などもここで確認ができるので結構便利です。今回の目的は「快適にゲームをプレイすること」なのでゲームモードをONにしてみます。
4種類のベンチマークで検証
次は、ベンチマークで試してみます。今回使うのは、定番の「CrystalDiskMark 6.0.1」、同じく定番のシリーズ「3D Mark」、「VR Mark」、「PC Mark」の4種類です。
CrystalDiskMark
CrystalDiskMarkでは、Read(読み込み速度)と、Write(書き込み速度)の両方を測定できます。今回はデフォルト設定で測定してみました。WD GREENと比べ、WD_BLACKの数値が驚異的に向上しているのが分かります。
PC Mark
PC Markでは、画像編集や資料作成など、パソコンで行う様々な作業を仮想でテストし、パソコンの性能を計測してくれます。結果は、WD GREENが5423点、WD_BLACKが5544点でした。SSDを替えただけで約100点増えたのが分かります。
3D Mark
3D Markでは、3Dゲームを仮想でテストし、3D描写性能を測定してくれます。結果は、WD GREENが9473点、WD_BLACKが9494点でした。数値的には上がってはいるものの、誤差程度。描画性能にはあまり変化がありませんでした。
VR Mark
VR Markでは、VRゲームを遊ぶために必要なスペックを備えているかどうかを確認してくれます。結果は、WD GREENが10104点、WD_BLACKが10106点でした。こちらも、上がっているのは2点のみなので誤差と言えるでしょう。
実際に高負荷ゲームで試してみた!
次はいよいよ実際にゲームで試してみたいと思います。ただし、普通にゲームの起動時間を測っても前回のように“変化を実感しにくい”可能性が高い……。そのため今回は、筆者が今までプレイしてきたゲームの中でもずば抜けてロードが長かった、多数のゲームの中から、クラフトやアイテムを駆使しながらサバイバルするオープンワールド恐竜サバイバルアクションゲームとゾンビが蔓延る世界が舞台のサバイバルゲームの「新規ワールド作成」にかかる時間を測定することにします。
恐竜サバイバルアクションゲームで新規ワールド作成時間を測定
まずは近未来の恐竜世界を舞台にしたサバイバルゲーム。固定ワールドオンリーなので、マップ自体はそこまで広くはありません。今回は、MOD(拡張機能)を追加して少し負荷を上げた状態で試します。TOPページから「新規ゲーム作成」を選択し、MODを20個追加したワールドを作成。
結果は、WD GREENが69秒、WD_BLACKが43秒。秒数は、26秒程しか変わらないもののWD_BLACKに変えたメリットがありました。
WD GREENを使っていた時は、画面がしばらく動かず、フリーズしてしまったのかな・・と心配になることがあったのですが、WD_BLACKでは1度もフリーズしていません。1度フリーズするとゲームを再起動しなければならないので、ロスタイム&メンタルへのダメージも無限大……。個人的にこの差は大きく感じました。
ゾンビが蔓延る世界が舞台のサバイバルゲームで新規ワールド作成時間を測定
続いて試すのは、ゾンビが蔓延る世界が舞台のサバイバルゲーム。このゲームは、ランダムにワールドを生成する「ランダムマップ」というものがあります。その名の通り、ランダムに地形や町、バイオームを生成するのですが、このランダムマップの生成が尋常じゃないくらい時間がかかるんです。ランダムマップには、複数の広さがあるので、大きいサイズのマップを作成して試してみようと思います。
結果は、WD GREENが10分14秒、WD_BLACKが9分24秒でした。建物やアイテムはもちろん。細かい田舎道や地形データ・放射線データなど、様々な情報をマップに盛り込むので、先ほど検証したゲームと比べても遥かに時間がかかりました。ただ、それが功を奏したのか、今回はハッキリと秒数に変化が表れたと思います。
「俺だけロードなげぇ問題」は無事解決
今回は実際にベンチマークやゲームで試してみましたが、「PC Mark」では5423点から5544点と、しっかりアップグレードされているのが分かりました。「ストレージの変化では実感しにくい」と言われているゲームのロード時間でも、最高で約1分短縮と、確実に早くなったのが実感できました。
ただし懸念点を挙げるとするなら、今回試したのはあくまでも”高負荷ゲーム”の読み込み。軽いゲームや、普段使うような些細な操作では「絶対に実感できる」とは言い切れませんが、安定性が向上するなど、人によってはそれなりの価値があると思います。
さらに、「WD_BLACK」は筆者購入時では税抜き23000円 と、ちょっとした金額でアップグレード可能な上に、ソフトウェア「Western Digital SSDダッシュボード」の便利な機能もついてくることを考えるとコスパも◎。パソコンのアップグレードを考えている人にとって、かなりオススメできる選択肢になっていると思います。
次回は、ノートパソコンなどでも使える外付けストレージを紹介します。
全記事
- 【第6回】DetonatioN Gamingの現役プロゲーマーにインタビュー!
- 【第5回】【対談】ゲーミングシーンで求められているストレージとは
- 【第4回】WD_BLACK™シリーズの外付けドライブを使う 後編
- 【第3回】WD_BLACK™シリーズの外付けドライブを使う 前編
- 【第2回】ストレージにNVMe対応SSD「WD_BLACK」を入れてみた 後編
- 【第1回】ストレージにNVMe対応SSD「WD_BLACK」を入れてみた 前編
- プロフィール
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北海道出身のPCゲーマー。好きなゲームジャンルは、FPSとサバイバルゲーム。ゲームライターとして、価格コムやアキバ総研、NIKKEI STYLE、トレンディネットなどで記事を執筆しています。
現在、Steamのゲームを紹介するSteam Maniaを運営中
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